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JRE Stationカレッジ「ライフテックコース」第3回 巻き込みたい/巻き込まれたい相手とチームを組む

2023.12.20

株式会社リバネスと東日本旅客鉄道株式会社は、課題発掘型リーダー育成講座『JRE Station カレッジ』運営しています。本カレッジでは、社会課題を解決するために一人ひとりが知識を蓄え、情熱を持ってその知識を活用することで、実際にサステナブルビジネスを生み出すことを目指します。

前回の様子

12月5日(火)、ライフテックコースの第3回が開催されました。今回は、受講生が互いのQ(Question:課題)とP(Passion:情熱)を軸として結びつき、事業創出のためのチームを結成する重要な回です。

イントロダクション

講義に先立ち、ライフテックコースのプロデューサー・井上 浄より、前回までの振り返りと第3回の講義・ゼミ(実践)の概要説明がありました。

コトを起こすためには、第2回で学んだ「パッションドリブン」「自分の源流と未来を繋げる」「小さな一歩の連続」の3つが重要であり、チームでプロジェクトを進める際にもこの3つを意識してほしいと語りました。

続いて受講生による第2回のレポートを抜粋し、「どのようにビジョンを定めれば良いのか?」「パッションコントロールは必要なのか?」という質問に対しては、「自分で正解を作っていくつもりで挑んでください」と発破をかけました。

講義:ビジネス創出になぜ研究者的思考が必要なのか

第3回の講義テーマは「研究者的思考と個のネットワークでコトを起こす」。講師の前田里美が最初に提示したのは、「研究者とは職業ではなく生き方である」という考えです。大学教授や研究員といった職業研究者でなくても、真理の探究をし続ける・新しいものを創り出す姿勢があれば誰もが研究者になれる。だから受講生には、そのようなマインドを持って新しいビジネスを生み出してほしいと語りました。

研究者的思考とは、未知のことを解明する・新しいことを発見するための思考法です。この思考で用いるのが、仮説→検証→考察のサイクルを回すフレームワーク。JRE Stationカレッジではこのフレームワークをビジネスにも応用し、仮説・検証・考察を繰り返すことで新しいコトを生み出していきます。重要なのは、チームの一人ひとりが同じフレームワークで思考し、議論することであると前田は強調しました。

続く「共感で繋がる仲間と『勘違いする力』にする」というトピックでは、チーム作りにおいて3人で組むことの重要性を説明。2人だと意見が違って衝突が起きたときに分裂が起こりやすいのに対し、3人ならば視野も広がりやすく、衝突したときも1人が仲裁役にもなれるメリットがあります。信頼で繋がる3人がチームのコアにいることで、「自分たちで世界を変えてやる」というポジティブな「勘違い」が生まれ、それがプロジェクトを推進していく原動力になります。

講演:圧倒的な行動力で人を巻き込む

続いてゲストスピーカーによる講演です。株式会社ARROWSの代表取締役社長・浅谷治希氏に、「仲間を集める」というタイトルで、同氏がどうやってともに活動する仲間を集めていったかを語っていただきました。

ARROWSは「先生から、教育を変えていく。」をビジョンに掲げ、学校の先生たちが情報交換や議論ができるコミュニケーションプラットフォーム「SENSEIノート」などのサービスを展開しています。そもそも浅谷氏が起業を決意したのは、先生をしている友人に現場の話を聞き、先生を支える仕組みがないことに課題意識を持ったからだと言います。

起業を決めたものの、友人以外の先生たちの現状を知らなかった浅谷氏は、すさまじいまでの行動力で関係者を巻き込んでいきました。いわく、「先生たちの集まりに入り込み、2年間で1000人以上の先生に話を聞いた」「運転資金を稼ぐためにピッチコンテストに出まくった。毎回スピーチをを100回練習してプレゼンに臨み、ほぼ毎回優勝した」「会った人すべてに自分たちが何を実現したいのかを説き、その人が何に困っているかを聞いて回った」「前述のようなことを朝から晩まで毎日繰り返した」……。数々のエピソードに受講者からは驚嘆の声が上がりました。

そんな圧倒的な巻き込み力を発揮していったことで、浅谷氏のもとには上場したスタートアップの執行役員やユニコーン企業のトップセールスなど、大手から人材が次々と入社してくれたそうです。実績がほとんどないベンチャーであるにもかかわらず、これほど優秀な仲間を集めることができたのは、浅谷氏のPassion(熱)に相手が共感してくれた結果と言えるでしょう。

浅谷氏が仲間集めで重視しているのは相手が応じてくれるまで何度もそれを繰り返すことが秘訣だそう。もちろん必ずうまくいくとは限りませんが、やれることはすべてやり切って、それでダメなら諦めることにしているそうです。チーム作りや事業づくりのヒントがたくさん詰まった講演でした。

受講生プレゼン:深掘りしたQとPで仲間を集める

第3回のゼミ活動のテーマは「仲間を集めるプレゼン」。各受講生が2分間で前回からさらに深掘りしたQ(課題意識)とP(情熱)を伝え、何を実現したいか、そのためにどんな仲間を集めたいかを発表します。チームを組むための土台となる大切なプレゼンです。

農家を祖父母に持つある受講生は農業の課題に着目。野菜は50年前と比べて栄養価が低くなっていることに課題感を感じ、栄養価の高い野菜をテクノロジーを用いて生産し、流通させるところまでのモデルを確立したいと語りました。一次情報を取るべく大学の植物工場研究センターを訪問し、現在の水耕栽培の状況についてヒアリングしてきたと言います。「食を通した美と健康に興味のある方」「野菜が好きな方」「新しいチャレンジが好きな方」と一緒にやりたいとアピールしました。

この他、「具体的な手段はまだわからないが、自分が思い描く世界を一緒に目指す仲間が欲しい」と訴えかけたり、一緒にやりたい人の指名付きで自分が実現したいテーマを発表したり、長年仕事で関わってきた業界への課題感から「酪農の生産者と消費者を直接結ぶようなビジネスの仕組みを作りたい」との思いを披露したりと、それぞれが熱いプレゼンを繰り広げました。

3つのチームが誕生

プレゼン終了後はいよいよチーム作りです。互いのQとPを聞いたうえで、一緒に何かをやれそうだ、やりたいと感じた相手に話をしに行きます。自分が率先してリーダーになってもいいし、誰かのQ・Pに巻き込まれるのもアリです。どの決断が正しく、どれが間違っているという模範解答があるわけではありません。

受講生は意中の相手と思いを語り合ったり議論したりしてコミュニケーションを深め、チームとして一緒にやっていくメンバーを決めていきました。最終的に3つのチームが出来上がり、それぞれのリーダーが決定。これからはこのチームで走っていきます。

次回のゼミでは、チーム別にミッションを発表します。ミッションは言わばチームのQとPです。個からチームになったことでどんな変化や発展が起こるのか、2週間後が楽しみです。

<本件に関するお問合せ先>
株式会社リバネス JRE Station カレッジ運営事務局
担当:伊達山、海浦、立花
E-mail:[email protected]

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