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JRE Stationカレッジ「ライフテックコース」第2回 自分の課題と情熱に向き合う

2023.12.05

株式会社リバネスと東日本旅客鉄道株式会社は、課題発掘型リーダー育成講座『JRE Station カレッジ』運営しています。本カレッジでは、社会課題を解決するために一人ひとりが知識を蓄え、情熱を持ってその知識を活用することで、実際にサステナブルビジネスを生み出すことを目指します。

第1回の様子はコチラ

11月21日(火)、ライフテックコースの第2回が開催されました。

イントロダクション

初めに、ライフテックコースのプロデューサーの井上 浄より、第1回の振り返りと第2回の講義とゼミ(実践)の概要説明がありました。

JRE Stationカレッジでは、受講生は全員、各回の講義終了後にその日の講義での学びや印象に残ったことをレポートとして提出します。井上プロデューサーは第1回のレポートから受講生の声をピックアップしフィードバックを行いました。

「自分の常識に囚われずに物事を再定義していい」「正解はない、自分なりの正解をつくりにいく」といった感想に同意しつつ、「社会課題は頭で考えるものではなく、見に行くものである」ことを改めて強調しました。つまり、パッションを持って社会課題の現場に足を運び、一次情報を取りに行くことが大切であるというメッセージです。そしてこの考え方は、第2回の講義テーマへとつながっていきます。

講義:「自分だからできる事業」をつくる

第2回の講義テーマは「パッションドリブンで思考し、 自分のベクトルを可視化する」です。講師の前田里美は冒頭、これからの仕事は、決められた作業に従事する=事に仕えるではなく、新しい事柄を仕掛ける=事を仕掛けるものであると語りました。本カレッジではこの考え方に基づいて「その人だからできる事業」をつくることを目指します。

続いて、「モチベーションからパッションへ」「自己の源流と向き合う」「『みんな』ではなく、主語が自分になる」といったトピックについて説明しました。2つ目のトピックで前田が「自分の源流と、自分が将来的に実現したい世界をつなげる過程で新しいビジネス生まれる」と述べると、受講者たちも深くうなずいていました。

講演:妊婦さんたちの苦労を目の当たりにして起業を決意

続いてゲストスピーカーによる講演です。メロディ・インターナショナル株式会社 CEOの尾形優子氏に、「世界中のお母さんに安心・安全な出産を!」と題して自身のパッションや同社の事業について語っていただきました。

同社が提供するのは、モバイル分娩監視装置「iCTG」を核とする周産期遠隔医療プラットフォーム。妊婦のおなかにセンサーを装着しておなかの張り具合と胎児の心拍をモニターし、情報を医療機関に送信することで周産期の遠隔医療を実現するものです。自宅近くに医療機関がない島しょ部や遠隔地などで利用することで、妊婦の不安を解消し、安全な出産が可能になります。このサービスは数々の賞を受賞し、2023年10月には経済産業省が運営するインパクトスタートアップ支援プログラムである「J-Startup Impact」にも選定されました。とはいえ、そこに至る過程は順風満帆だったわけではありません。

尾形氏は香川県出身。同県が面する瀬戸内海には大小700近くの島があり、医療機関・設備が整っていない地域も多数あります。そうした島で暮らす妊婦たちには、何か問題が起こった際に本土にホテルを借りて病院通いをせざるを得ないという課題があります。尾形氏は、もともと手掛けていた電子カルテの会社を運営する中で島しょ部の妊婦たちの不安を目の当たりにし、「私がやらなければ誰がこの課題を解決するのだ」という思いでメロディ・インターナショナルを立ち上げたと言います。

会社の設立当初、尾形氏はタイのチェンマイで「iCTG」の臨床試験の機会を得ることができました。妊婦に実際に「iCTG」を装着してもらい、その情報を医師と検証し、また妊婦自身や医師たちの声をもとに改良を重ねました。

尾形氏は実際に同地を訪ね、都市部から遠く離れた産婦人科医不在の山岳部などの病院を見て、周産期の妊婦たちが苦労している実情を知ったことが大きなヒントになったと言います。自分で一次情報を取りに行ったこと、そしてパッションを持ってその課題解決に挑んだことが、尾形氏の現在につながっていると言えるでしょう。

受講者プレゼン:自己のQとPを語る

第2回のゼミ活動のテーマは「個人の課題意識に気づく」。各受講生が、自身が持っている課題意識(Question=Q)と抱いている情熱(Passion=P)について1分間で発表しました。

それぞれ、「子育てとキャリア、どちらを選ぶかの分かれ道って何?」「食(野菜)を通して人の健康・美容を変えるにはどうすれば良いのか」「地方が衰退していくって、よくないこと?」など、子供の頃の原体験や仕事人生の中で考えていたことに基づいた課題を語りました。キャリアや子育て、ウェルビーイングなどいくつかのテーマについては、似た課題を持っている仲間がいることがわかり、「何かが一緒にできそう」と感じた受講生もいるようです。

プロデューサーからは、「どういう状態になれば課題が解決されたと言えるのか」「その課題をどうテクノロジー(技術)で解決するのか」などのフィードバックが。そんな風に自らのQとPを言語化し、そこにフィードバックを受けることで、受講生は自分たちが取り組もうとしていることの解像度を高めていきます。

講義終了後は、互いのQとPについて意見を交換したりといった姿が見られ、受講生の熱が一段と大きくなったことを感じました。次回はいよいよ、事を仕掛けるためのチームづくりです。

<本件に関するお問合せ先>
株式会社リバネス JRE Station カレッジ運営事務局
担当:伊達山、立花、海浦
E-mail:[email protected]

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