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2022年度後期フードテックコースから4つのプロジェクトが発足しました

2023.05.17

株式会社リバネスと東日本旅客鉄道株式会社は、サステナブルビジネスの創出を目指した課題発掘型リーダー育成講座『JRE Station カレッジ』を実施しています。

新大久保駅キャンパスでは2022年度後期よりフードテックコースを開設し、11月から翌2月まで4カ月にわたり開催。サステナブルビジネスに必要な18の考え方を習得するとともに、実践的なゼミ活動を実施しました。ゼミ活動では、多様なバックグラウンドを持つ受講生が、個人の課題意識を軸としてカレッジ内外の仲間を集めてチームを形成し、テクノロジーを組み込むことで「新たな食の循環」における課題を解決するサステナブルビジネスの創発に取り組みました。

その結果、4つのプロジェクトが発足しました。各プロジェクトの概要は下記の通りです。

コーヒー文化を楽しみながら生産現場を守る「東京コーヒー栽培」プロジェクト

 

コア技術:廃熱等を利用した都市型コーヒー栽培技術

嗜好品として消費されているコーヒーの需要は世界全体で右肩上がりだが、生産者に利益が渡りづらい社会的構造になっている。また、気候変動により、2050年には収穫量が半減するとの予測もあり、フェアトレードと日本国内での生産方法の確立が必要となる。フェアトレードの推進に必要なのは、消費者理解を進めることであり、身近での生産や正しい情報発信をし続けることが重要である。
そこで、本プロジェクトでは工場や駅の廃熱利用やバイオ燃料化したコーヒーかすの活用等、バイプロダクトのアップサイクルも含めた都市型農業としてのコーヒー栽培の確立とコーヒーの収穫などによるコーヒービジネスの理解を促進する体験を提供する。コーヒーの適正な価値が消費者に理解され、適正価格が受容される世界をつくることで、コーヒー農園からカフェやメーカーに至るまで、生産にかかわるすべての人が適切な利益を得ることができ、将来までコーヒーという文化を楽しみ続けられるサステナブルな世界をつくることを目指す。
<メンバー>
株式会社JR東日本クロスステーション 永井拓磨
江崎グリコ株式会社 鈴木葵
株式会社オレンジページ 黒川あずさ
株式会社シグマクシス 林詢蔵
株式会社リバネス 伊地知聡(コミュニケーター)

 

シークワーサーの搾りかすで妊婦を救う「つわり軽減」プロジェクト

 

コア技術:シークワーサー残渣の加工技術

日本国内でシークワーサーの生産が最も盛んな沖縄県大宜味村では、令和3年には年間1,948tのシークワーサーが生産され、うち1,937tが搾汁されている。その搾りかすは、栄養が豊富で香りが良く、機能性成分を含むため、有効活用が期待されているが、腐りやすい、PHが低く土壌の堆肥になりにくい、冷凍保存にコストがかかるなどの理由から、未利用のまま廃棄されている残渣は多い。
一方、妊婦の約8割が「つわり」による気持ち悪さを経験しているが、妊娠中に「つわり」で苦しむ女性の中には柑橘系の食事で負担が軽減することが経験則的に知られている。シークワーサーに高含有され、リラックス効果を持つと期待される香り成分を活用することで「つわり」への有効な対処法の確立を目指す。本プロジェクトではシークワーサー残渣の効果的な保存方法の開発ならびに「つわり」軽減に有効な成分を活用した商品開発を進める。
<メンバー>
ロート製薬株式会社 西川育宏
ロート製薬株式会社 桃原淑
味の素株式会社 立上陽平
株式会社丸井 松永和貴
株式会社リバネス 川名祥史(コミュニケーター)

 

食品工場から廃棄を無くす「ブレンド茶残渣アップサイクルメソッド構築」プロジェクト

 

コア技術:飲料残渣からの飼料開発技術

現在、人口増加や気候変動による植物の収穫量の減少、家畜や養殖での飼料の高騰化などにより食を支える基盤が崩れつつある。一方、食品ロスとして日本だけでも年間522万トン(※令和4年6月農林水産省発表の資料より)の食品廃棄物が環境負荷や経済負荷をかけながら廃棄されている。この食品廃棄物は食品工場より多く発生しており、特に飲料工場では、お茶やコーヒーの抽出残渣が大量に発生。これらの残渣は一部肥料や飼料に用いられているが、その多くは産業廃棄物として処理しているのが現状である。その理由として、高効率なアップサイクル方法がないため、各企業の取り組みや設備投資が進まないことが挙げられる。
よって今回、乾燥粉末化、飼料適性調査、有用成分探索の3つのプロセスを通し、抽出残渣から飼料をつくる高効率なアップサイクル方法の確立を進める。本プロセスを応用することで世界中の食品工場から廃棄を無くし、安全な食の提供を目指す。
<メンバー>
アサヒ飲料株式会社 森口敬介
ティールファシリティーズ株式会社 原田 正和
株式会社リバネス 伊地知聡(コミュニケーター)

 

海の多様性を守り日本食の文化を継承する「促成昆布製造」プロジェクト

 

コア技術:促成昆布の早期熟成プロセス

昆布産業は、和食文化に根付いた重要な産業であるが、近年の気候変動が海洋生物の生育環境にも悪影響を及ぼし、天然昆布においても漁獲量が減少している。このような状況下では、高品質な昆布を安価で提供することは困難なため、年々価格の高騰化に伴い昆布の利用も減少している実情がある。
そこで、我々は1年間の養殖で成昆布になる「促成昆布」に注目。一般的な昆布収穫は2年かかるが、促成昆布は1年間で育つため、大幅なコスト削減が見込める。しかし、急速な育成により身が薄くあっさりとした仕上がりになるなど、従来のうま味が十分で美味しいとされる天然昆布の品質とは異なるといった課題がある。
そこで、昆布の熟成技術に着目し、温度や湿度を制御可能な倉庫を作ることで、より良質な促成昆布を作ることを目指す。これにより、高品質な昆布を安価で提供することが期待され、昆布産業の再生に寄与することができると考えます。最終的には、この倉庫を用いた熟成技術サービスを昆布問屋に卸すビジネスモデルを構築することで、日本の食文化と海の多様性を維持することを目指す。

 

2021年に始まったJRE Stationカレッジでは、その他のコースでも様々なプロジェクトが発足しています。

 

<本件に関するお問合せ先>
株式会社リバネス JRE Station カレッジ運営事務局
担当:立花、海浦、望月
E-mail:[email protected]

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