JRE Stationカレッジ 「フードテックコース」第2回を実施しました。
2022.12.03
『JRE Station カレッジ』は、異業種・異分野の企業人が駅に集い、4カ月間でサステナブルビジネスをつくり出すことを目指す場です。2021年にスタートした本カレッジでは、2022年後期より「新たな食の循環」をテーマに新大久保駅キャンパスで「フードテックコース」が開設。11月21日(月)に第2回が実施されました。
【当日の概要】
イントロダクション:先生も正解も存在しない
はじめに、講師を務める株式会社リバネス 執行役員CROの塚田周平より、前回の振り返りと概要説明がありました。
「前回終了後、『サステナブル』と『ビジネス』は相反するので両立が難しいのでは、という疑問・感想が出ていました。しかし、これを両立させるために、本カレッジで考え続けたい。本カレッジには先生も正解も存在しません。一緒に取り組みましょう」と受講生に語り掛けました。
1分間プレゼン:まだ迷いが多い「Q」と「P」
第2回ゼミ活動のテーマは「個人の課題意識に気づく」。各受講生が1分間で自身のQ(Question)とP(Passion)について発表しました。
「水を創る技術を通じて、食文化への貢献と、地方の雇用創出を実現したい」「コーヒーの2050年問題を解消したい」「商業施設の生ゴミをゼロにしたい」などさまざまな課題が発表されました。
これに対し、ゼミ長である株式会社雨風太陽 取締役 大塚泰造氏および講師の塚田より、「1分の中に複数の課題が提示されたが、どれが一番の課題なのか」「その課題を抱くことにつながった原体験はあるか」「課題の対象をもっと絞った方がいい」など次々とフィードバックが。これを受けて発表した受講者が、「そこをまさに迷っています」「紐解いて考えると、課題そのものが違うような気がしてきました」と告白する場面も多くみられました。
自身の「Q」と「P」の輪郭が、現時点ではまだおぼろげであるという事に気付いた受講生も多かったようです。
また、第1回でゼミ長・大塚氏が「今後、チームを作っていく際に信頼が築けるよう、このカレッジでは皆さんに正直であってもらいたい」と話した影響からか、率直で飾らない言葉で話す受講生が多かったのも印象的でした。
講義:一次情報を取りに行く重要性
第2回の講義テーマは「課題ドリブンで思考し、自分のベクトルを可視化する」です。
サステナブルビジネスを理解するために、「モチベーションからパッションへ」「自己の源流と向き合う」「『みんな』ではなく、主語が自分になる」の3つのトピックスをベースに講義を行いました。
「五感を使って本人が実際に取得した情報」、つまり一次情報を取りにいく重要性を説明する内容が出てきた際には、ゼミ長・大塚氏が、「一次情報を基に判断しないと、失敗した時に人のせいにしたり、後悔したりするものです。『自分で見て、聞く』ことを意識してください」と語り掛けました。
講演:一次情報に触れた時にミッションが見つかった
講義に続いて、「地球と生命を健やかに」と題した講演で株式会社エコロギー 代表取締役CEO 葦苅 晟矢氏がゲストスピーカーとして登壇しました。エコロギーは、コオロギの養殖生産や、コオロギを活用した食品、飼料の開発・製造・販売を手掛けており、食料不足問題などを解決するサステナブルな事業展開に取り組んでいます。葦苅氏は現在、年の3分の2をカンボジアで過ごし、コオロギの生産体制の整備などに邁進しているそうです。
そんな葦苅氏ですが、「私は別に昆虫に興味があったわけではありません」という意外な告白から講演はスタートしました。その後も、大学時代にアパートの自室で衣装ケースを使ってコオロギを飼育したエピソードをはじめ、ユニークな経験を次々と披露。テンポの良い語り口に、受講生は時に笑い声を上げながら聞き入っていました。
しかし、それ以上に受講生を引き込んだのが、「パッションを持って取り組んでいると、仲間は増える」といった第1回の講義内容に通じる話や、「初めてカンボジアに行き、一次情報に触れた時に自分のしたいこと、すべきことが明確になった」という一次情報の重要性を実感した話でした。本カレッジの講義内容を体現している葦苅氏の講演は、受講生の背中を大いに押しました。
第2回終了後は、ゲストスピーカーである葦苅氏と名刺交換をしたり、リバネススタッフやJREスタッフに個別の意見交換を求める受講生の姿があり、一次情報を取りにいくという第2回の学びをさっそく実践している様子が見て取れました。
<本件に関するお問合せ先>
株式会社リバネス JRE Station カレッジ運営事務局
担当:内田、伊地知、望月
E-mail:[email protected]