新たな発想を生み出すルール・制約があるから面白い!/JRE Station カレッジ受講生インタビュー(商船三井・住田勇武さん)
2023.08.03
カタフリの住田 勇武さんは、2022年6月から9月にかけて行われたJRE Stationカレッジ エコテックコースを受講、修了後もそこで生まれたプロジェクトを自主的に進めています。4月には日本初となるメタバースイベントを成功させた住田さんに、カレッジで得られた学びとプロジェクトについて聞きました。
修了後もプロジェクトに取り組み、イベント開催を実現
-4ヶ月間の講座の中で、記憶に残っている学びはありますか?
住田 何かを新しく始めるのに、予算の有無は関係ないということです。できることから、小さく始めてみることの大切さを知りました。普段の仕事では、何か新しいことを始めようとするとまず必要な予算を取りに行くという動きが一般的ですが、新たな取り組みをする際に費用対効果を説明することは非常に困難です。結局、私自身、新しいことに踏み出すのを躊躇してしまったり、途中で断念したりするといった経験をしてきました。
しかし、カレッジで学んだのは、予算はなくともすでにあるものを活用し、できる範囲でやってみて、そこからわかったことを積み上げていくことが大事だということです。これにより、効果や価値が少しずつ可視化され、結果的に予算獲得につながるという順番です。カレッジのメンバーと初めて開催したイベント「中高生のためのメタバースmeet up!」でもこの点は実感しました。
-どのようなイベントだったのですか?
住田 今年の4月2日に、中高生活動家6組と活動家支援に興味のある企業人12名を集めて「中高生活動家によるメタバースmeet up!」と称してプレゼンテーションとブースセッションを実施しました。会場は、日本初の試みとしてメタバースを用いました。メタバースを活用したことで、リアルタイムでの自由な移動や交流が可能となり、遠方からの参加も容易になりました。
参加した中高生活動家からは、「メタバース上での交流が楽しかった」という声や、「次回も参加したい」という意見が多数寄せられました。大人側も、「若い世代のアイデアに触れることが刺激的だった」と評価し「今後も協力関係を築いていきたい」と期待が寄せられました。
-住田さんはこのイベントでどのような役割を担ったのですか?
住田 イベント全体を取りまとめるリーダーを務めました。5社から集まるメンバーを会社をこえて取りまとめるのは初めてであったため、新たな挑戦の場となりました。普段の仕事では、一緒に働く人々は大抵、同じ業界出身者や、すでによく知るパートナーです。そのため、目指すべき目標については、ある程度は共通理解があります。しかし、今回のイベントでは、全く違った背景をもつ人々と一緒に、目標設定から取り組むという新たな状況に直面しました。それぞれ異なる視点を持つメンバーと協力しながら同じ方向に物事を進めるということは、時として困難を伴いました。それぞれのアイデアを出し合い、議論が発散したり収束したりするプロセスを一つにまとめ上げるというのは、私にとって全く新しい課題でした。その過程が、私自身では考えつかなかった新しい視点やアイデアを引き出すことにつながってきたのではないかと思います。
自分事に落とし込み、小さな1歩から始める
-リバネスユニバーシティーは地球貢献型リーダーの育成を掲げていますが、住田さんが考える地球貢献とは何でしょうか?
住田 自分の子どもが大人になったときに困らないような、「暮らしやすい環境」を彼らに引き継いでいくことが、地球貢献だと考えています。平和であること、衣食住に困らないことなど、今の当たり前を当たり前だと思ってはいけない。例えば私は、商船三井という船の会社で働いていますが、海運は日本の物流の99%を担っています。船を動かさなければ、日本の物流は断ち切られ、私たちの生活は破綻するでしょう。一方で今、世界中で船員が減っています。このまま減り続けると、船を運行できなくなるかもしれません。ここから小さな一歩として、私は、船員さんの働きやすさや業務効率を向上させるアプリの開発を、スピンオフベンチャーで行ったりしています。こうして自分事に落とし込み、できることから1歩を始める、それを続ける。これが地球貢献型リーダーではないでしょうか。
-最後に、カレッジでの学びを生かした今後の目標について教えてください。
住田 例えば「予算がない」という制約はマイナスと捉えがちです。しかし、カレッジ受講中にプロジェクトの創出に取り組んでいた時のことですが、制約を意識しないと予算も規模も壮大な案を思いつきがちで、そうするとアイデアは面白くても結局身動きが取れないということがありました。そんな時、「いま使えるアセットは何なのか」をよく考えて、制約条件を固めると、その制約の中で逆に面白いことが生まれるという経験をしました。こうした経緯を含めて、「予算の有無は関係ない」「今あるものを活用して小さく始める」という学びを得ました。実感を伴って得たこの学びを忘れずに、これからも行動していこうと思っています。
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株式会社リバネス JRE Station カレッジ運営事務局
担当:立花、海浦、望月
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